現地とVRのハイブリッドで開催した新しい形のハッカソン! NASA Space Apps Challenge Ube 2025 開催レポート

現地とVRのハイブリッドで開催した新しい形のハッカソン!NASA Space Apps Challenge Ube 2025 開催レポート

nisshi-dev
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#NASA#宇宙#山口#ハッカソン#VR#Resonite

はじめに

こんにちは。Code for Yamaguchi の西田(HN: にっし)と申します。

2025年10月4日・5日、山口県宇部市およびVR空間(Resonite)にてNASA主催のグローバルハッカソンの山口会場『NASA Space Apps Challenge Ube 2025』を開催しました。

本ハッカソンでは、現地会場とVR会場の2つを用意し、リアルタイムで進行するという新しいハッカソンの形を模索しました。

その分、運営面は大変でしたが、多くの方々のご支援のおかげで無事終了することができました。

本記事では、当イベントの開催報告として、NASA Space Apps Challengeの概要から、2日間の開発・発表の様子などをレポートしていきます。

公式HPはこちら:

spaceappsube2025.codeforyamaguchi.org

イベント募集ページはこちら:

spaceappsjapan.connpass.com

また、事前に協賛企業の1社である、WeaverseLab株式会社様よりプレスリリースを出していただきました。

prtimes.jp

開催概要

以下のような形式で本イベントを実施させていただきました。(敬称略)

イベント後の記念撮影(現地会場)

イベント後の記念撮影(VR会場)

現地会場としては、以前からお世話になっている山口県宇部市様に後援に入っていただき、市の創業支援施設「うべスタートアップ」にて開催させていただきました。

また、協賛企業であるGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社のはがさんには技術メンターとして活動いただき、各チームへの技術サポートをいただきました。

イベント後にレポートも書いていただいたので、詳細はこちらでご覧ください。

developers.gmo.jp

一方、VR会場としてはソーシャルVRプラットフォーム「Resonite」上で開催させていただきました。

こちらは、Resoniteの国内総代理店であるWeaverseLab株式会社様に、VRの会場準備および現地との繋ぎこみ・機材提供などVR会場に関わる部分を全面的にサポートしていただきました。

VR会場はイベント終了時のまま公開してありますので、会場が気になる方はぜひ覗いてみて下さい。(ResoniteはWindows PCからでも参加可能です。)

go.resonite.com

さらに、現地でVR体験コーナー(Meta Quest3, ゲーミングノートPC)も設置いただきました。

VR体験コーナーでVR会場の参加者と交流している様子

参加者としても運営側としても尽力いただいたorangeさんにもレポートを書いていただいたので、ぜひご覧ください。

note.com

加えて、Fab機器協賛であるファブラボやまぐち様より、現地会場後方に3Dプリンタ(BambuLab A1 mini)を設置いただきました。 チームによっては、NASA 3D Resourcesにある惑星の地表データを3Dプリンタで出力するなど、Fab機器を活用した開発も行われていました。

その他、1日目の懇親会では現地会場にてフード・ドリンク等を提供させていただきました。こちらは、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社様, WeaverseLab株式会社様のご協賛により実現しております。

最終的に、参加人数は合計24人(現地会場: 10人・3チーム / VR会場: 14人・4チーム)のイベントになりました。

NASA Space Apps Challengeとは?

当日の様子をレポートする前に、このハッカソンについて簡単にご紹介します。すでにご存知の方は当日の様子まで読み飛ばしてください。

「NASA Space Apps Challenge」 は、宇宙・地球環境・衛星関連のオープンデータの活用を目指し、NASA(アメリカ航空宇宙局)の呼びかけにより始まった世界同時期に開催されるハッカソンイベントです。

このハッカソンではNASAが提供するオープンデータを使用し、提示されている課題を解決するための作品を2日間で制作します。

www.spaceappschallenge.org

世界各地でハッカソンが開催されるので、参加者は自分の好きなローカル会場を選んで参加します。

ハッカソン後は、各ローカル会場で審査を行い、上位1・2チーム(参加人数によって変動)がNASAの審査にノミネートされます。その後、NASAの研究者やエンジニアが審査を行い、ファイナリストを決めるといった流れです。

2025年は世界で合わせて551の地域でローカル会場が設置されたようです。

国内では、丸森(宮城)・深谷(埼玉)・東京(東京)・串本(和歌山)・宇部(山口)の計5会場で開催されました。

▪参考:

ローカル会場一覧(2025年)

NASA Space Apps Challenge 2025 インフォグラフィック

2025年の開発テーマ(Challenges)

2025年度は、NASAより18個の開発テーマと1つの自由テーマ(審査対象外)が提示されました。

一般的なハッカソンと異なり、このように多くのテーマの中から選び、開発するといった流れになります。

www.spaceappschallenge.org

一例として、Deep Dive: Immersive Data Stories from Ocean to Skyというテーマを抜粋して紹介します。 一言で言うと、地球観測データセットを使ったVRコンテンツを作れればなんでもOKです。

なお、このテーマのように制作物をVRコンテンツに限定しているテーマは一部であり、アウトプット形式を限定していないテーマも多いです。

Deep Dive: Immersive Data Stories from Ocean to Sky
主題:VR・インタラクティブ
難易度:中~高
要素:衛星観測は、科学者にとってダイナミックな地球についての洞察をもたらしますが、リモートセンシングの経験がない人にとっては、これらのデータセットに隠されたストーリーにアクセスすることは容易ではありません。NASAのオープンデータポリシーにより、これらの観測データは科学者だけでなく、一般の人々にも同様に公開されています。あなたの課題は、NASAの地球観測データセットとビジュアライゼーションを活用し、地球の海に関するストーリーを生き生きと伝え、幅広い視聴者にデータ、その美しさ、そしてその影響を伝える、没入感のある短いバーチャルリアリティ(VR)体験を構築することです。ビジュアル、空間音声、そしてインタラクティブな要素を駆使することで、VR体験を通して、ユーザーは地球の海の物語をより深く理解できるようになります。

www.spaceappschallenge.org

データとしてわかりやすいのは、NASA 3D Resourcesというサイトにある3Dデータです。宇宙や衛星に関する3Dモデルが多くあり、ほとんどが.glb形式で配布されているので非常に使いやすいです。

宇宙服の3Dモデル(NASA 3D Resourcesより引用)

science.nasa.gov

以上がNASA Space Apps Challengeの概要と開発テーマの一例です。 他のテーマはイベント前に撮影したハッカソン参加説明会&テーマ読み会にて紹介しています。 興味のある方はぜひご覧ください。

当日の様子

イベント当日は、以下のようなスケジュールで進行しました。リアル会場とVR会場の接続が不安定になるなどのトラブルもいくつかありましたが、大きな問題はなく無事終えることができました。

Day1: 2025年10月4日(土)

時間内容
10:30オープニング・イベント概要説明
11:00アイデア決め・チームビルド
13:00開発タイム開始
18:30中間発表
19:00懇親会(スポンサーLT)
20:00終了・解散(各自好きな場所で開発)

Day2: 2025年10月5日(日)

時間内容
10:002日目スタート
~15:00開発タイム終了
15:00~16:00作品提出フォーム記入タイム
16:00~18:00最終発表、デモ展示
18:00~18:30表彰式・クロージング
19:30終了・解散

Day1: 2025年10月4日(土)

オープニング・チームビルド

オープニングでは、現地会場とVR会場をリアルタイムで繋ぎながら、ハッカソン概要説明やルール・チームビルド等を行いました。

開発タイム

各チームがテーマを決め、開発を進めていきました。

deovr.com

また、VR会場参加者の方が作業中の様子を配信していただいていました。

VR空間でVSCodeを起動して作業している様子など、VRならではの作業風景が見られ、現地の参加者も興味を持っているようでした。

他会場との交流

このハッカソンは世界中で同時に開催されるという珍しい形式のハッカソンということで、今年は丸森(宮城)会場との交流も行われました。 Slackのハドルで繋ぎ、お互いの会場の様子を映しながら簡単な交流を行いました。

中間発表

中間発表前に、なんとVR会場では、協賛企業のWeaverseLab様のご協力で、現地会場を3Dスキャンし、VR会場にて現地会場を再現した空間が誕生していました...!

VR会場の中間発表・最終発表では、この3Dスキャンした空間で実施しました。

現地会場の3DスキャンデータをVR空間で表示した様子

開発タイム開始してから約5時間程度しか経ってない中での中間発表ですが、形が見え始めているチームが多く、最終発表が楽しみになる発表ばかりでした。

懇親会(スポンサーLT)

中間発表が終わると、1日目最後の懇親会の時間です。 協賛企業の方々のおかげで簡単なフードやドリンクを提供いたしました。

懇親会のはじめには、協賛企業様にスポンサーLTを行っていただきました。

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社様によるスポンサーLT

WeaverseLab株式会社様によるスポンサーLT

また、懇親会の合間には、VR会場との交流も行われました。 開発タイム中に見えていたVR会場の作業風景を見ていて、気になった参加者も多かったようです。

VR体験コーナーでVR会場の参加者と交流している様子

最後は、Day1の記念撮影を両会場で行い終了しました。

Day1の記念撮影(現地会場+VR会場)

Day1の記念撮影(VR会場)

当日夜には深夜開発しているチームの様子や、翌日朝に開発しているチーム写真も送られてきました。

Day2: 2025年10月5日(日)

開発タイム開始

2日目は10時にスタートしました。 15時のコードフリーズに向けて、チーム全員で開発の追い込みをかけているチームや開発とスライド作成を役割分担して進めているチームなど、さまざまなチームの色が見えた2日目の開発タイムでした。

15時には、コードフリーズを迎え、ついに最終発表の時刻になりました。

最終発表開始時の会場の盛り上がり(ミュートを解除すると音声が流れます)

会場のパノラマ写真(ドラッグで周囲を見回せます)

最終発表配信開始

ここからは、YouTube Liveでの配信も開始し、2日間の開発の様子を振り返りつつ、最終発表へと移っていきます。

ローカル賞の紹介

宇部会場では、最優秀賞・People's Choice賞・ワクワク賞(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社様より提供)・Weaverse賞(WeaverseLab株式会社様より提供)の計4つの賞を用意しました。 さらに、VR会場では参加賞として、VR空間内で掲載される参加記念バッジの付与を行いました。

最優秀賞+People's Choice賞

最優秀賞審査基準

ワクワク賞

ワクワク賞発表の様子

Weaverse賞

Weaverse賞発表の様子

審査員紹介

また、最優秀賞の審査員として、田村 賢哉(株式会社Eukarya 代表取締役CEO)様、福田 達也(キチナングループ株式会社)様、しろさん(山口大学大学院 修士2年 / ちじょうIT勉強会 副代表 / 山口VRサークル"FUGU" 運営)様の計3名の方々をお呼びして担当いただきました。

最終発表

そして、いよいよ計7チーム(現地会場: 3チーム / VR会場: 4チーム)による最終発表が行われました。 1チーム、発表時間4分+質疑応答3分の計7分ずつで進行しました。

素材解析のWebシミュレータを作るチーム・WebやVRでデータの可視化を行うチーム・機械学習をするチーム・VRで隕石のシミュレーションを行うチームなど、開発テーマにほぼ被りがなく非常に多様な作品が揃いました。

チーム「Nice Coder」

チーム「宇宙図書館」

チーム「team resolab」

チーム「morimori girls」

チーム「make impossible with cae」

チーム「RileoMaru」

チーム「UniSpace - Resonite」

各チームの発表を終えると、審査員や参加者のデモ体験タイム兼審査タイムとなりました。

VR会場のチームは、審査員の方々とVR機器または、Discordのボイスチャンネルを通じて質疑応答が交わされました。

表彰式

そして、白熱した議論が交わされた審査の末、表彰式が行われました。 各チーム、今年は例年以上にレベルが高く、どのチームも僅差となりました。

  • ワクワク賞(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社様より提供)

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社様による審査の末、チーム「RileoMaru」に賞が授与されました。

弊社も協賛として当社ホスティングサービス「GMOクラウド ALTUS BASIC」1年分を無償提供させていただきました。当社からは、「挑戦を楽しむ心」で未来の可能性を最も感じさせてくれたチームへ「ワクワク賞」を贈呈しました。

  • Weaverse賞(WeaverseLab株式会社様より提供)

WeaverseLab株式会社様による審査の末、チーム「team resolab」に賞が授与されました。

賞品として、チーム人数分の全天星座折り畳みかさを提供いただきました。

  • People's Choice賞

現地・VR会場の参加者・YouTube Live視聴者からの投票により最も票を集めた、チーム「RileoMaru」に賞が授与されました。

賞品として、宇宙グッズ詰め合わせを提供いたしました。

  • 最優秀賞

いよいよ最優秀賞の発表です。審査員の間での白熱した議論の結果、チーム「UniSpace - Resonite」に授与されました。

賞品として、豪華宇宙グッズ詰め合わせを提供いたしました。

受賞したチームはもちろんですが、受賞していないチームもとてもレベルが高く、拮抗した審査となりました。 以下のリンクに、各チームの開発した作品が掲載されているので、興味があればぜひご覧ください。

www.spaceappschallenge.org

クロージング・記念撮影

最後に、クロージングということで記念撮影と挨拶を行い、イベントを締めくくりました。

イベント後の記念撮影(現地会場+VR会場)

イベント後の記念撮影(VR会場)

まとめ

以上、NASA Space Apps Challenge Ube 2025のイベントレポートでした。 長文にお付き合いいただきありがとうございました。

今回初めて現地会場とVR会場の2つを用意し、リアルタイムで進行するという新しい形のハッカソンを開催しました。現地会場の人もVR会場の人も、お互いの会場を強く意識しながら参加してくださり、自然な交流が生まれました。両会場の参加者から「楽しかった」とご好評の声をいただくことができ、主催者としてもとても満足です。

また、最終発表後には、現地会場からVR会場に入って話してみたい、という人が何人もいるという光景を見ることができ、VR活用の新しい可能性を感じられ、とても実りのあるイベントになりました。

そして改めて、本イベントを支えてくださった皆様に感謝を申し上げます。 皆様のおかげで無事イベントを終えることができました。

一人のVR好きとして、そしてハッカソン好きとして、このような新しい試みができたことにとても満足しております。

今後も、このようなVRと現実を掛け合わせたイベントなどなど企画・運営していきたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。

宣伝

このイベントは、山口県にゆかりのある挑戦者を応援するテックコミュニティ『Code for Yamaguchi』の主催で開催させていただきました。

山口県という地方でなかなか技術的な交流ができない...技術を語る人が欲しい...といった方や、山口県にゆかりがあってどんな活動をしてるか見たい方はぜひ以下のDiscordサーバーにご参加ください。 Discordでは、技術的な雑談や今回のようなハッカソンの開催情報などを共有していたり、メンバーの最近の活動を発信しています。

codeforyamaguchi.org
discord.gg

参加者の方々の記事

協賛いただいた企業の方及び、参加者の方に参加レポートを書いていただきました。 ぜひご覧ください。

developers.gmo.jp
note.com
markn2000.com

また、最優秀賞を受賞したチーム「UniSpace - Resonite」の作品がVRメディア『Mogura VR』にて掲載されました🎉

www.moguravr.com

イベントに関するXポストまとめ

posfie.com

補足: Global Winnerが発表されました

12月18日に、NASA Space Apps Challenge 2025のGlobal Winnerが発表されました。

11,500件を超える応募の中から、上位10チームが受賞しました。

惜しくも、宇部会場および日本からは選出ならずでした...

世界中の作品を見ることができるので、興味がある方はぜひご覧ください。

www.spaceappschallenge.org
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VRが好きなWebエンジニア。WebXRやVR・機械加工などの技術が好きでものづくりしている。WebXR JPというコミュニティやWeb技術集会というVR空間内の技術イベントを運営中。

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